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執筆者の写真反田孝之

ただ〇〇したかっただけなのに・・

「コロナ脳」とは「コロナにかからないためなら他のことはどうでもいい」という日常を定量的に俯瞰できない人を揶揄する言葉らしい。例はいろいろあるが、直接的で象徴的なのが、コロナにかからないためなら他の病気になってもいい、寿命が縮まってもいい、と解釈されても仕方のない態度だ。


これでは確かに揶揄の対象にもなる。しかしだ。実は他人事ではない。これと同じ思考回路を誰もが持っている。自分にとって絶対に譲れないことがあったときに、それを死守するためには他のことはどうなってもいいと考えるのは、ほとんどすべての人に当てはまるのではないか。


私もちょっと前には、「マスクは絶対にしない。その結果他のことがどうなってもいい。例えば友達をなくしてもいい、社会的に孤立してもいい。」と真剣に考えていた。(もちろん今でも。)だからそうなっても後悔はしない。それはそう覚悟しているからだ。


一方で、覚悟なくこの回路にはまっている人もいる。だからそうなったときに悲しんだり後悔したりする。自分にとって何かひどい目に遭ったときに、「自分はただ〇〇したかっただけなのに(それのどこがいけないのか)」と悔やんでいる人を見かける。でも当たり前。ただ〇〇したいだけだといって他のことはどうでもいいと考えている(考えているつもりはなくてもそうなっている)からそうなるわけだ。


ただ幸せに暮らしたかっただけなのに・・などはその典型。ただ幸せに暮らしたくて他のことをないがしろにするからそうなるのだ。幸せに暮らしたいのなら、「だけ」とか言わずに、他のことも少々は妥協して飲み込まなくてはならない。それが嫌なら覚悟すること。そうすれば後悔はしない。

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