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執筆者の写真反田孝之

久しぶりに心の奥底から感動が湧いてきた

土曜日は「ノブ・シオダ メモリアルコンサート」へ。桜江が誇る文化人の塩田信之氏を偲ぶコンサートである。今の農業人生のせいか、歳のせいか、すでに音楽やコンサートにはあまり興味がでない。それでもこのたび行ったのは、前に書いたこういう事情からだ。

奏者は、寺神戸亮氏。当然知らない。しかしプロフィールを見ると大変な方だし、調べてみると断トツの方だった。こんな方の演奏が聴けるのか!と。 そしてその時を迎える。そして久々に心の底から湧き上がる感動に包まれる。私の感動の源泉は、何というか、どうやったらこんなに弾けるようになったんだろうと。才能は言うまでもなく、どんだけ練習したらここまでになるんだろうと。その練習シーンが浮かんでくる。しかしながらもはや別の人類。練習をすることでこんなにも違う「生き物」になれるものかと。私のこれらはバイオリンを習っていたがために抱いた感情であることは明らか。 そしてふと聴衆を見回して、みなさんは何をどう感じているのだろうかと。バイオリンと縁のない人はどんな聞き方、感じ方をするんだろうと。当然私とは違っているはず。 なんだってそうなのだ。人は、自分の人生をもってしてでしか感じることはできないし、その人生なりの感じ方になるわけだ。人は経験するために生きていて、そして経験は視野を広げるためにするもので、さらに視野は幸福を感じるために広げるもの、だと考えるとき、感動が幸福の源泉であるという結論をたやすく導くことができる。 この歳になっても感動は追い持てめていきたいし、できれば子らにこういう「幸福のからくり」を伝えたい。そんなことを、隣で一見してつまらなさそうに座っている子らを見て考えていた。


最後に、このたびコンサートの開催にこぎつけられた主催者の方々に最大の敬意を表したい。

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