大豆の大凶作について改めて触れておきたい。
夏までは過去最高の出来になるとの見通しが、一転して大豆栽培20年で最大レベルの大凶作となった。8.5haの平均収量が反当り40キロ、さらに粒が極めて汚い。おそらく検査でも多くが規格外になることが目に見えており、間違いなく補助金ももらえなくなるだろう。補助金を含めた売り上げは例年の4分の1前後になりそうだ。
(絶賛色彩選別中。拡大するとよくわかる近年にない汚さ。こうやって色選をかけてもほとんどすべての粒が汚れているので、あまりにひどい粒だけを取り除くだけで、検査に通るほどにはきれいにならない。)
うちの経営は、ゴボウとお米と大豆で3分の1ずつの売り上げがあるので、その一角の大豆がこの始末だから全体で大変なダメージになることが容易に分かる。
農業経営収入保険が発動するレベルである。これで少しはマシになる。この保険制度は我々のような農業の専業経営体にとっては経営努力によって無駄になる場合が多いので、いつかはやめようと以前書いたばかりなのに、まさか洪水被害以外でお世話になることがあろうとは思ってもみなかった。
今年の大豆の不作は、うちの場合は9月の異常高温とその対応のまずさが原因と思われる。生産者によっては8月の高温ですでにダメージを受けたところも多いだろう。しかしうちの場合はおそらく9月である。だからこの時の対応を変えればもう少しマシにできたのではないかと思っている。
もう一つ大きな原因は、早播きだろう。これまでのうちのデータによれば5月末の播種は間違いなくこのたびの不作を後押ししていると思う。今後は梅雨による播き遅れのリスクを抱えてでも播種時期を選びたい。
さらにもう一つ。このたびうちの広大な大豆畑の一角に設けた小学校の体験圃。なんとここの大豆はうちの2倍以上よくできた上に、粒もきれいなのだ。わずかに1mも離れていないのに生じたこの差をどう考えるか。違いは播種が9日遅かったことと、播種と1回目の草取り(土寄せ)を人力でやったことだけ。果たしてこれだけの違いでこの差を説明することはできるのだろうか。
ともかく、来年以降の対策は立ちつつある。中には条件の悪い圃場を切り捨てるという形式上のこともある。これについては次回に。
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