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執筆者の写真反田孝之

春~初夏の作業順序がまた白紙に戻る

ぐずついた天気が続き、本線作業は手も足も出ない。じっと溜まったデスクワークを進める。


その中に今後の計画がある。どんな分野でもそうであるように、農業でも計画はとても大事だ。このたびは大豆の大どんでん返しを中心に考えているところ。


どんでん返しと言ったけれど、それは莢付きの良さまでを確認して勝手に期待を膨らませたからそうなっただけのことで、実はこうなるリスクは覚悟していた。大豆とは早蒔きするいろいろ障害が多くなるものなのだ。


水はけがそれほど良くない圃場において、雑草の処理剤という便利なものを使わずに牽引式の除草機を使うことにこだわるためには、播種後の雨が何よりの問題になる。それを回避するための早蒔きだった。一言で早蒔きと言うけれど、どこまで早いといけないのか。それを試したいということがあった。


それで田植えと大豆播種の順序をひっくり返して、5月末~6月初めにかけて蒔いた。もくろみ通り除草には苦労がなく、近年になくきれいに決めることができた。しかしこれではダメだということだ。だから来年からは背に腹は代えられない、田植えとの順序を戻して、雨に怯え、梅雨明けの遅蒔きによる減収リスクを背負いながら、セオリー通り6月中旬(以降)に蒔こうと考えているところ。


こういう「試し」というのは、本当は一部の圃場でやるのがいい。しかし実際の作業ではそれはそれで大変なことが多くてつい一斉にやりたくなってしまう。現場感覚としては、ここのところが難しい。


一方で田植えを6月上旬に遅らせた田んぼはどうだったかというと、品種が感光性の強いコシヒカリである以上、おそらく収量はいくらか落ちたのだろうと思っている。しかし見かけの等級が良かったという見返りがあった。今田地区に田んぼを引っ越してきて以来、白系や基部未熟の2等がすっかり相場となってしまっていたのに、今年はほとんどが1等だった。こんなことは初めてである。これだけ等級に不利な暑さの年にも関わらずこの結果が出たということは、そこにはいろいろなパラメーターがあることを承知の上で、大きい要素であるだろう。


ということで田植えと大豆播種の時期について、大豆の早蒔きが成功すれば解決したこの問題が、またぶり返したのである。それは遡って4月のゴボウトンネルの撤去と稲の育苗作業とのバッティングも関係してくる迷宮でもある。しかし考え抜いたところで天候がいちいち違うのでどうせその通りにもならない。だから一番マシなパターンを想定することになる。


長々と書いたが、この問題についてはこれまでにも何度か書いてきたところ。相変わらず難問である。

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