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執筆者の写真反田孝之

次男と一緒に風呂に入るのが楽しい

次男のリクエストで一緒に風呂に入ることが多い。風呂とは面白いもので、長男の時もそうだったが、普段話さないような、そして本音をよく含んだ会話になる。次男の場合、私の体験談というのが多くなる。私にとっては過去を思い出せてくれるいい時間になっている。


中でも彼は、私の「自慢話」や「苦労話」「成功話」「失敗話」的なものを面白がる。これは彼の成長を願う私としてはとても嬉しいことだ。こういう話を毛嫌いする人が少なくない中で、彼には「素直な」好奇心を大事にしていってもらいたい。それでなるべく彼にとってバーチャル疑似体験となるように意識して話すことにしている。


昨日は、私にとって人生で一番気持ちが辛かった28~29歳の半年間の話になった。岡山から見知らぬ千葉の地に引っ越し、造園会社に勤め始めたものの、そこの人間関係が耐えられなくてわずか10日で辞め、その後多様なアルバイトを繋ぎ合わせて辛うじて生活していたころがある。世は不景気。ありとあらゆるバイトを組み合わせてみても、月に10万ちょっとくらいにしかならない。農業の自己研修の目的でこの地に来たのに、自分はいったい何をやっているのかと、先の見えない辛い日々を送っていたころ。


しかし振り返ると、あの半年間が私の人生には必要であったかもしれない。そこで学ぶことは大きかった。食っていくのに必死だから破れた殻がある。そんなことを具体的に語って聞かせたことだ。


どちらかというと自分の人生を聞かれたくない、他人の人生は聞きたくない、という人が多いと思われる中で、私はそのどちらとも逆だから、こうやって私の人生を面白く聞いてくれる人がいるというのは嬉しいことだ。また、今はまだなかなか難しいようだが、彼自身が自慢話や苦労話が語れるようになったらたくさん聞きたい。長生きせねば。

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