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執筆者の写真反田孝之

続・途切れ(そうになっ)たゴボウの種

昨日の続きで。


採種が途切れた原因は、植え替え母本の栽培が上手くいかないからである。手間のことも考えて、毎年10~15株の母本を選抜し植え替えている。それらが種を付けるまでに枯れてしまうのである。


枯れる理由は様々。年を選ばず多いのが、ネズミの食害。モグラが歩き回った穴にネズミが住み着き、ゴボウをかじってちょん切ってしまうのだ。ネズミは圃場周りの草むらに生息しているのだから、母本を圃場の中ほどに植え替えればこの被害は防げる。しかし圃場の中ほどというのは次作の管理に極めて邪魔になるので、どうしても圃場の隅を利用することになる。


しかしこの度種を切らせそうになった直接の原因は洪水だ。洪水の時期は母本の開花の時期だから、洪水に飲まれたらまずはダメ。一昨年はこのパターンで採種直前の株が全滅した。


(2016年7月14日。開花期。この頃に洪水に遭うと全滅する。)


また植え替えかえた母本が洪水に遭わなくても、選抜して植え替える前のゴボウが畑で洪水に遭った場合もダメだ。ゴボウの植え替えは暑い時期にやると枯れてしまうので、例年は8月下旬以降にやるようにしているのだが、洪水にあったゴボウは早く掘り上げてやらないとそこで腐ってしまうので、8月下旬まで待っているわけには行かないのだ。今年がこのパターンだった。7月に掘って植え替えたのはこの度が3度目で、2度が全滅、一昨年が辛うじて1株だけ残った。


今後このパターンになった時は、暑さ対策を何かしなければならない。というか今回で3度目だったので、何かやるべきだった。あまりに明らかなことなのに、なぜやらなかったのか。自分のアホさ加減にあまりに呆れている。


今まで繋いできた種子のスタートは、2009年春に購入し蒔いたもの。育ったものの一部を、まだやり方が分からなかったので、選抜~植え替えすることなくその場に残した。そして翌2010年の洪水で株がなぎ倒される。その中で水面の上に出ていて冠水せず生き残った花房があり、そこから採取したものだ。写真があったと思うのだが、探しても見つからない。その時の記憶も胸に秘めて、私もこれまでに多くを学んだのだから、見つかった4年前の種を必ずや大事に育てていきたい。

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