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執筆者の写真反田孝之

調整ラインの紹介

ここ数日は、調整(籾摺り)をしているか稲刈りをしているかのどっちかだ。そのため畑がだんだん凄いことになりつつある。


その調整作業がようやく昨日の時点で区切りとなって、今あるものやこれから刈る籾は、乾燥機の中かフレコンバッグのどちらかにストックできるようになったので、調整作業の至急性はなくなった。だから雨の日だけ10袋ずつやる、なんて呑気なことも可能になって、稲刈りをするなり畑へ回るなりが自由にできるようになる。明日からは天気が戻ってくるようだから楽しみだ。


それにしても調整作業というのは別の意味で嫌なものだ。というのは、しばしばトラブルで中断を余儀なくされるからだ。機械由来半分、私のホーケ半分。機械がたくさんあって、ベルトの数だけで何本もあるので不具合はしょっちゅうだし、とにかくあちこちの箇所で気を遣う。


誰ぞ参考になる人もいるだろうし、初めて見るという人もいるだろうから、そんな視点で調整ラインを紹介してみる。



スタートは乾燥機。稲刈りを急いでいるときは、調整作業とはこれを空にするためにやっているようなもの。窓からまだ籾が見える。早くなくなれ。




そして籾摺り機への張り込み。左(乾燥機)からの供給がなくなると、上の窓の玄米が見えなくなる。そうするとすぐにレバーを切り替えないと大変なことになって、これが相当厄介。毎年やっちまうんだが、今回もすでに一度やってしまった。


それと6本あるベルトのへたれトラブル。今年は1回。若干異音が聞こえ出したから慌てて止めたら、ベルトがぶち切れ寸前だった。ワンシーズンで最低1度はあるから気が気ではない。近頃はすべてのベルトについてシーズン前には点検だけでなく必ず予備を購入しておくようにしているので焦らない。


籾摺り機から出た玄米は、色選(色彩選別機)へ行く前に、米選機を経由して1.90ミリ以下の玄米をここで取り除く。裏からこんな具合に。

この袋がいっぱいになったのに気づかないと、米選機が詰まってしまって、これまた厄介なことになる。今年はまだやらかしていないぞ。


そして次に色選に行くわけだが、こいつをラインに組み込む場合は、色選の時間当たりの処理能力が籾摺り機のそれと比べて格段に小さいため、時々供給側の籾摺り機を止めてやらねばならない。その回数を少しでも減らすために、このように色選のホッパーに金属のホッパーを乗せて容量を増やしている。さらに米選機の下にはレンガをもはかせて。写真はちょうど緑の米選機の中もいっぱいになって最大量をストックしているところ。この時点で籾摺り機を止める。間のホッパーをもうちょっと大きくしたいね。

籾摺り機を止める際には3つのレバーの順序を絶対に間違えてはならない。間違えると悲惨なことになる。以前は時々やらかしていたが、さすがにここ数年はご無沙汰だ。そして4~5袋出来上がるごとにホッパーが空になるので、また籾摺り機を動かすということを繰り返す。


色選は虫害などの黒い粒を取り除く機械。こんな感じで別れる。

黒い粒と同時にきれいな粒もむしろ多くはじかれるから、遠目にはきれいに見える。でもよく見るとこう。

これがなければ色選を組み入れる必要はなく、能率上がるんだけどね。今田の前に下ノ原地区でやっていたころはこんな被害はなかった。なお、これらの弾かれた玄米はシーズン最後にもう一度色選に通して我が家の飯米にするので無駄はない。


色選から出た玄米は昇降機によってもう一台の米選機に運ばれる。そこで1台目の米選機で生き残った小さな粒を、再度1.90ミリ以下の網で振るって取り除いた後、30キロ袋に充填される。30.5キロになったら自動的に止まる仕組み。

ここで(下から)出てきた1.90ミリ以下の粒はそれなりに食用になるので売っている。


ああ長かった。以上がうちの調整ライン。もちろん他にも注意するべき点がたくさんある。でももう疲れたしいちいち書いとられんわ。


それからここで断っておきたいのは、もしも今初めからラインを作るべく機械を買うのであれば、もっと違ったものにするということ。つまりここで紹介したラインは、これまでの成り行きで増設しながらやってきたらこうなったということであって、いまいち不満も大きい。それから、やってみる前から分かること、やってみないと分からんこと、というのがある。仕方なくこうなったかなと。いずれ機械を更新するときに少しづつ変えていくつもり。


農業での投資ってこういうものよ、きっと。だから人に聞いて、勘を利かせて、最後は自己責任で頑張りましょ。

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